Aさん「うちの組織は、対話できてますよ。」
私「へぇ~、じゃあ対話って何?」
Aさん「対話って、、、、えぇ~っと、、、会話することです。」
私「じゃあ、会話って何?」
Aさん「日常的な話のことじゃないんですか。」
私「では対話は?」
Aさん「う~ん・・・」
私「Aさんの組織は対話できてると言ったけど、何ができてるの?」
Aさん「・・・何ができてるんでしょうね。(苦笑)」
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実は、こんなことはよくあります。
・対話について考えたことがない
・対話の定義を持っていない
・会話と対話の違いが定かでない
・対話とは何か?、、、実はわかっていない
そもそも出発点である言葉の定義や意味について、よく考えたことがないまま使っている、もしくはまったく知らないということもよくあることです。
対話という言葉は知っているけど、「なんとなく、、、」わかったつもりでいる。
わかったつもりを今さら話し合わない。
その必要性を感じない。
では、「なんとなく、、、」を放置していると何が起きるか?
言葉の理解の違いによって、お互いにズレが生じてコミュニケーション不全に陥ることがあります。
仕事上、色々と問題やリスクを引き出す結果になってしまうかもしれません。
お互いの関係や組織に、いつの間にか「見えない壁」ができあがってしまいます。
職場や人間関係で「ズレ」や「壁」を感じたときこそ、「なんとなく、、、」を放置していないか、ぜひ探してみてください。
「なんとなく、、、」に気づいたら、それは話し合うチャンスです。
まさにそれをきっかけに、対話がスタートするのです。
そんなきっかけを引き出したり、気づいたりするのもファシリテーターの役割かもしれませんね。
<参考>
私たちのサイトでは、様々な実践家の「対話」についての理解を引用しています。
※私たちの中での「対話」とは?
http://world-cafe.net/dialogue.html
例えば、東京大学の中原淳先生は、『ダイアローグ 対話する組織』の中で以下のように説明されています。
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人は「対話」の中で、物事の意味付け、自分たちの生きている世界を理解可能なものとしています。人が物事を意味づけるときに、一人でそれに向かっているのではありません。相互理解を深めていくには、単に「客観的事実(知識・情報・データ等)そのもの」を知っているだけでなく、「客観的事実に対する意味」を創造・共有していくことが重要となるのです。
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よろしければ、みなさんご自身にとって「対話」ってどういう意味だろう?と思いを馳せてみてください。
(DODパートナー 坂本敬行)