私が以前、某大手通信企業に勤めていた頃の話です。
職場は、当時流行り出したフリーアドレスになり、プロジェクト制が進み、フロアの見た目は最高の環境でした。
しかし、結論から申しますと、環境が変わっても、仕事の効果が上がるような活発なコミュニケーションは見られず、、、
それどころか、隣にいてもほとんどの人がメールでコミュニケーションする始末でした。
仕事の便宜上でしか会話がない職場では、お互いの思いを共有することがないので、常に表層的な会話に終始します。
仕事でも事前に話し合うことがほとんどなくなり、会議でも「なんでそんなこと事前に話しておかないの、、、」ということになりかねません。結局、リスクマネジメント、ステークホルダーマネジメント、ミーティングマネジメント、ありとあらゆる仕事の効率が改善することなく、非生産的なプロセスを繰り返すハメになります。
まず最初に大事なのは、職場で会話するきっかけをつくることです。
そのためには、火付け役となる仕掛人が必要です。まさしく、このメールをお読みいただいているみなさんのような存在です。
話し合いを日常的に促進するための地道な活動(飲み会、ランチ、挨拶など)も含まれますが、自らが職場に会話の種を撒き、
率先して実践するためにも、適切なタイミングでのワールド・カフェの導入がおすすめです。仕事以外での会話を増やすために、ワールド・カフェ的に会議をしてみてもいいし、社内研修のワークショップに組み込んでもいいと思います。
私も前述の会社においてワールド・カフェを導入し、会話をするきっかけ(場)をつくりましたが、まったく話さなかった者同士が、笑顔で話す姿を見るのは嬉しいものです。
会話がない職場でいきなり対話を求めるのは酷でしょう。そこは一足飛びにとはいきません。
仕掛人となる私たちで、会話、対話の可能性の種を撒いていきましょう!
(DODパートナー 坂本敬行)