壊すことで生まれる何か

昨年、神戸大学の金井壽宏先生にご講演いただく機会があり、そのときに印象的なお話をされていました。

 

モチベーション理論の研究家でもある金井先生が建築家の安藤忠雄さんにインタビューをしたときのことです。 「安藤さんのやる気の源泉にあるものは何ですか?」という質問に、安藤氏は「そんなの怒りに決まっているじゃないですか」と答えたそうです。

 

金井先生は少し面喰って、「それはどういう意味での怒りですか?」とさらに質問したそうです。

 

そして返ってきたのが「空間が無駄に使われていることへの怒りだよ」という答え。

 

安藤忠雄氏の世界的な建築物は、そういう建築家としてのセンスや誇り、責任感から生まれてきていることが垣間見えるエピソードだなと、とても印象に残りました。

 

そんなのち、ある会合で「何か壊したいものがありますか?」というテーマでのダイアログをしました。変わらない組織、政治。雑多なエネルギーがうごめく町。いろいろな意見が出ました。

 

聞いていて共通していたのは、それぞれが単に「自分が気にいらない」というレベルで発言しているのではなく、根底に「どうにかしたい」「もっとよくしたい」というエネルギーを持っているからこそ「壊したい!」という気持ちが生まれるのだということ。

 

そして、何かに対して怒りを感じたり、何かを壊すということは、今まで当たり前、当然と思われてきた思考の足かせや古い慣習を取り払って、ゼロベースで、本当に望んでいる未来を考える作業なのだと気づきました。

 

ちょっとずつ改善、改良するのではなく、いったん全部を壊したとして、そこで自分は、自分たちは、何をつくりたいのか?

そんな風に考えることが今、この不確かな時代だからこそ必要なのではないかと思います。

 

そこにこそ、「本当に自分がやりたいこと」「果たしたいと思っている役割」のヒントがあるのではないかと考えます。


(DOD代表 大前みどり)

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