
最近、対話の価値を再確認しました。
いえ、以前から対話には価値があることは感じていました。
でもどうして価値が生まれるのか正確にはわかっていませんでした。
私たちは時々、こう表現することがあります。
「対話をすることで、その場に沸き上がってくるものがある」と。
対話によってこそ、創造されるものがある。
対話をしたからこそ、沸き上がってくる未来がある。
そう信じてやってきました。
先日、とある場所で藤原和博さんのお話を聴く機会を得ました。
そこで藤原さんが似たような事をおっしゃっていました。
こどもたちに「わかる人」と訊いても手が上がらない。
まずは、3人や4人で話をしてもらうのだ、と。
対話をすることによって、とにかく一言話してもらうことで、そこから話が発展したり、弾みが付いたり、盛り上がったりします。
例えば、4人でポストイットにアイデアを書いて出し合ったり、ホワイトボードに意見を書き合っても、あまり勢いのある発展は望めそうにありません。
対話をすることで、脳に納められている記憶の断片が次々につながりだし、創造的な活動が始まるのです。
それは意識せずとも、私たちの脳が勝手に行ってしまうことなのです。それもものすごいスピードでやってのけてくれます。
脳による無意識に起こる知の再構成化。あるいはネットワーク化。
それこそが対話の価値だと私は思います。
それぞれの過去の経験や知識が、自分か誰かの発言をきっかけにものすごいスピードでつながり始める。
それが創造性となって現れる。
それは恐らく人間だけに与えられた価値のある機能なのだと私は思います。
一人で黙っていても、創造できるのは自分のこれまでの枠の中だけの世界。
誰かとの対話がその世界を大きく拡げ、私たちをいままで思ってもみなかった領域へ、まるで光の速さで連れて行ってくれるのです。
対話によってこれまで脳に蓄積された膨大なデータがつながりだし、そこに生み出される新たな発見、気付き、学び、新しい創造の世界。
対話は私たちの脳を無意識に活性化させるのです。
さ、話そ。そして未来をつくろうよ。
僕らの脳をすべてネットワーク化したら、もの凄いことが起こるかもよ。
(DOD パートナー 中川繁勝)